MIM(金属粉末射出成形)採用の「判断基準」と「成功の鍵」を徹底解説

はじめに

複雑形状の金属部品を、高精度かつ量産で実現するMIM(Metal Injection Molding)。

コストダウンや機能統合の切り札として注目されていますが、「自社の部品に適しているか?」「何に注意すべきか?」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

今回は、世界最大級のMIMメーカーであるINDO-MIMが、採用検討時に役立つダイジェスト版をお届けします。


① MIM採用の判断基準:得意なこと・苦手なこと

MIM導入の成否は、最初の「適性判断」で決まると言っても過言ではありません。MIMは「小型・精密・複雑形状」を得意とする製法です。以下の基準をチェックリストとしてご活用ください。

【MIMが適しているケース】

  • 生産数量: 年間数万個以上の量産が見込める(金型投資回収のため)。
    (ただし、形状によっては数千個/年ぐらいでも十分価格競争力が得られる場合もあります)
  • 形状: 複雑な三次元形状、アンダーカットがある形状。
  • サイズ: 手のひらサイズ以下の小型部品。

【MIMが苦手・注意が必要なケース】

  • 極端な肉厚・肉厚変化: 焼結時の歪みや空孔(ボイド)の原因となったり、未焼結部分が残ったりし、不良の原因になりやすいです。
  • 大型・重量部品: 製造設備による生産品サイズの限界があり、大きさ・重量の制限があります。ただし、その制限はMIMメーカーが所有する設備に依存します。その中でもINDO-MIMは、比較的大サイズの製造能力も持ち合わせています。
  • 寸法収縮の考慮: 焼結により約15〜20%収縮するため、それを計算に入れた設計が必要です。同時に、焼結時の熱による歪みのコントロールもとても重要になります。
    ※INDO-MIM(1997年創業以来8千種類以上のMIM部品を開発・製造)のような経験豊富なMIMメーカーなら、収縮や歪みの対策に長け、安心かと思います。

② 成功のための「設計・製造のすり合わせ」

MIMのポテンシャルを最大限に引き出すには、初期設計段階からの配慮が不可欠です。切削加工図面をそのまま流用するのではなく、MIMの特性に合わせた「DFM(Design For Manufacturing)」が品質とコストを左右します。

  • 均一な肉厚設計: 品質の安定化(ヒケ・変形の防止)に直結します。
  • R形状(角の丸み)の付与: 流動性を高め、応力集中を防ぎます。
  • 適切な公差設定: 全寸法に厳しい公差を設けると、後加工(サイジングや機械加工)が増え、コストメリットが薄れます。「必要な箇所に必要な公差」を設定しましょう。
  • 開発期間: 金型製作、試作、焼結条件出しなどの工程が必要です。INDO-MIMのような専業メーカーと早期に連携することで、立ち上げ期間を短縮できます。

③ MIMのメリット&デメリット比較

MIMは万能ではありませんが、ハマれば圧倒的な競争力を生み出します。メリットとデメリットを正しく理解し、天秤にかけることが重要です。

項目MIMのメリットMIMのデメリット(課題)
形状自由度切削では難しい複雑形状も一体成形可能。部品点数削減に貢献。設計変更時は金型修正が必要なため、頻繁な変更には不向き。
コスト材料歩留まりが極めて高く、量産時の単価低減効果が大きい。金型費などの初期投資(イニシャルコスト)が必要。
特性鍛造材や切削材と同等、あるいはそれ以上の機械的特性を実現。焼結収縮の管理など、独自の設計ノウハウが必要。

これらの課題は、MIMの特性を熟知したメーカーとの協業により、十分にコントロールが可能です。


④ 多彩な対応材料:強度から磁性まで

「粉末冶金は強度が低いのでは?」というイメージをお持ちではありませんか? MIMは高密度に焼結されるため、一般的な金属材料と同等の性能を発揮します。INDO-MIMでは、用途に応じた最適な材料をご提案します。

  • ステンレス鋼: SUS316L(耐食性)、SUS17-4PH(高強度)など。
  • 低合金鋼・工具鋼: 一般的な機械部品、高硬度が必要な部品に。
  • 磁性材料: Fe-Ni系など、センサーやソレノイド部品に。
  • 難加工材: チタン合金や耐熱合金など、切削が困難な材料こそMIMの出番です。

⑤ 広がる応用範囲:自動車から医療まで

MIMは「設計自由度を武器にした高付加価値量産技術」として、多岐にわたる分野で採用されています。

  • 自動車: ターボチャージャー部品、エンジン・トランスミッション部品、センサー類(小型・高信頼性)。
  • 医療機器: 手術器具、インプラント、歯科矯正部品(高精度・生体適合性)。
  • 産業機器・ロボット: 複雑な機構部品の一体化による軽量化・省スペース化。
  • 新領域: EV(電気自動車)、再生可能エネルギー、ウェアラブルデバイスなど。

まとめ:MIMの可能性を貴社の製品に

MIMは、従来の加工法では実現できなかった「複雑形状×量産×高強度」を叶える技術です。

「この部品、MIMで作れるかな?」「コストダウンできるかな?」と思われた際は、ぜひお気軽にINDO-MIMへご相談ください。図面検討から材料選定まで、グローバルな実績をもとにサポートいたします。